bakabonbakenのブログ

的中馬券指南と今日のお勧め。

嘘も方便

 話の流れで、Tの思い出話を完結しておくか。
 Tは、男4人兄弟の3男で、親は開業医、兄たちは歴代柔道部のキャプテン、2人とも
医者になっている。 できそこないのヤツは、歯医者の道へと進んだわけだ(失礼!)
 バカボンも4人兄弟の3男、兄たちは、まあ親の期待に応えられたような道に進んだの
ではないかな。
 テレビ番組の「浅見光彦」シリーズなんか観ていると、なんか「浅見光彦」とバカボン
の立場が似通っているように感じる。
 我が家も型ぐるしい家でね、兄弟でタバコを吸うのもバカボンだけ、居心地が悪い。
「タバコは、外で吸ってくださいね。」
 一番最後に我が家に入ってきたくせに、兄嫁のキツーイお言葉。
「あんたの家なんだから、いつでも帰ってきなさい。」 優しいのは、母だけか。
 挨拶に顔はだすけど、言い訳をしてホテルに泊まる方が気は楽であった。
  兄は、大学の剣道部のキャプテン、しかし、バカボンたちが練習に通っていたのは
 別の大学。 垂れには、しっかり名前がついている。
 「お~,△△の弟か?」 ライバル大学のキャプテンの弟と判ると、可愛がられるのは
当然の理。 スパイをしていたわけじゃないけど、「△△さん、怪我したよ。」とか
「△△さん、今度の大会はでれないよ。」 そのぐらいは、報告していた。


 多分、ヤツも似たような辛い立場にいたのではないかな。
 ヤツが、歯医者になった当初は研修なのかな、開業医のところで働いていた。
丁度虫歯が痛くて、痛くてどうにも耐え切れず、Tに連絡した。
 土曜日だったので無理かなとは思ったが、すぐ来いと言ってくれたので行った。
 レントゲンとか、少し検査してから、「オイ、抜くぞ。これなら抜いても大丈夫だ。」
「そうか、頼む。」
 たげど、そこからがオカシイ。 ヤツの後ろには、競馬新聞が広げられている。
 ブツブツなにか呟いているような。 なにやら、数字が口からでてくる。
 「イター」 抜いた歯が、上に当たった。
 「お~、すまん、すまん。 金はいらないから、頼みがある。」
 「何だ?」
 「明日、電話してくれ。 顔が、腫れたとか。 何か痛むとか、何でもいいからよ。」
 すぐに理解した。
  ノミ屋の借金を親に肩代わりしてもらったことで、競馬禁止の親のキツーイ言葉が
 あったのだろう。 
  そこに、バカボンが丁度やってきた。 正に千載一遇のチャンス。
  次の日、口にだし綿を入れて、ヤツの家へ行き、アリバイを作って、競馬場へと
 車を走らせた。
  久しぶりに二人でやる競馬であったが、気持ちよく負けた。
 そうだ、最終レースでヤツに1000円貸したんだよな。 返して貰ってないが、
 虫歯の治療代だ、チャラにするか。
 「離れ島が一番金になるんだよな。 △△に行こうかな。」
 「△△に行ったら、競馬できないぞ。 それでもいいのか?」
 「そうなんだよな、どっか田舎の診療所でも行くかな。 陸繋がりなら、なんとか
  なるしな。」
  電話投票や、PATなどない時代、車で3時間とか4時間とか平気で場外馬券売り場
 までやってくる競馬ファンの多かった事。
  それに比べると、今は天国ですね。 その日に入金して、その日に馬券が買える。
 いいのか、悪いのか、わかりませんけどね。
  バカボンも、一つ間違えれば船の上で半年は日本に帰れないような仕事に就いていた
 かもしれない。 海の上は、自力で自分の命を守れない事と、競馬ができない事が
 そうならなかった理由だ。
  親の期待には応えられなかったかもしれないが、だいたいオヤジよ、オレはお前さん
 の子供だよ、そんな大した人間になる訳ないだろう。
  新聞沙汰にならなかっただけでも、ありがたく思いなさいよ。